12/02/09 どこが「One Osaka」なのだ!?◆日刊ゲンダイ

大阪地方検察庁は6日、大阪市住吉区上住吉の彫師・白石大樹(21)、藤井寺市小山の無職・白石美代子(22)両容疑者を殺人罪で起訴しました。
「讀賣新聞」に拠れば、1月16日午前4時20分頃、大阪市阿倍野区松崎町の路上で、一面識も無いビシュヌ・プラサド・ダマラさん(42)に「言い掛かりを付け、逃げるダマラさんを引き倒し、頭や顔を多数回殴る蹴るした後、自転車を投げ付ける等の暴行を約10分間に亘(わた)って加え、外傷性急性脳腫脹(しゅちょう)で死亡させ殺害した」容疑です。付近の駐車場の防犯カメラは、「約1分半の間に約40回、ダマラさんの頭を蹴ったり跳び上がって体を踏み付け」、「上半身を目掛けて自転車を3回叩き付ける場面」を捉えていました。「暴行を認めたが、殺意は否認」している容疑者を、傷害致死罪でなく、殺人罪で起訴した事由です。
現場から逃走し、5日後に逮捕された大阪市西成区岸里東の建築工・伊江弘昌(21)、同市天王寺区東高津町の無職・塚本訓子(21)両容疑者も拘留期限の2月11日には同じく起訴される見込みです。
「毎日新聞」に拠(よ)れば、山岳ガイドだったダマラさんは14年前、「大学の卒業旅行でトレッキングを案内して貰って知り合い、2年後に結婚した」日本人の妻と「来日12年。ネパール料理店を開く事を夢見て日本の工場に勤め、昨年7月に念願を叶えた」人物です。
「産経新聞」も、「在日ネパール人達のリーダー的存在だった」彼は、「『喧嘩になっても手を出してはいけない』。日頃から周囲に諭していた通り、最後まで反撃する事は無く」と哀悼記事を掲載しています。
山口県光市「母子殺害事件」被告と同様、“改悛の情”が伺えぬ4人組の行為に対し、アジアからの来訪者を増やし、西成区を再生させ、子供が笑う「One Osaka」を目指す大阪市長の橋下徹氏は何と述べているのだろうか? 大阪本社版新聞各紙を隈無く確認するも、見当たりません。頻繁にアップされる彼のツイッターにも、大阪市のホームページにも、見当たりません。
新聞社で市政、府政を担当するのは「弱きを助け・強きを挫く」社会部です。にも拘らず、「One Osaka」の最高責任者たる彼のコメントを何故、会見やぶら下がりで求めないのでしょう。
禁忌こそ、橋下氏にも大阪人にも不幸。指導者・橋下徹氏の可能性に期待すればこそ僕は、この凄惨な悲劇に対する彼の発言を待ち望む阪神間在住者の1人です。

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【参考資料】
・ナニワっ子は惚れっぽいが飽きっぽい>>>「日刊ゲンダイ」にっぽん改国 2011年12月01日