10/06/17 逃げ足の速い「奇兵隊内閣」は何もやれない

「私は不思議でなりません。国家公務員制度の見直しを声高に語る民主党は何故、地方公務員制度の見直しをマニフェストの何処にも明記しないのかと。貴方 が所信表明演説で述べられた、『個々の団体の利益を代表する政治との決別』は本当だろうかと。
“逃げ足の早い奇兵隊”を率いる菅直人氏に、新しい与党会派「国民新党・新党日本」を代表し、衆議院本会議で代表質問に立ちました。
解雇も倒産も無縁な地方公務員の月額給料は、諸手当を除き、控え目に見積もっても、民間事業の平均賃金の1.5倍余りも恵まれています。
286万人の地方公務員、64万人の国家公務員、合わせて350万人の公務員給与を10%削減するだけでも2.5兆円、消費税1%分の財源が生み出せる のです。
と質問するも、「地方公務員の給与をどうこう言うのは、それこそ地方分権の考え方として問題」と“官僚作成答弁”の棒読みに終わりました。
又しても、不思議でなりません。国家公務員給与に連動し、地方分権どころか中央集権的要素の強いのが、地方公務員給与。都道府県人事委員会の給与勧告 は、先立って国に提出される人事院勧告の書き写しなのです。
労働貴族な官公労の既得権益にメスを入れてこそ、所信表明演説で掲げた「課題解決型の国家戦略」の実践です。
先月末の財政緊縮法可決を受けて、スペインのホセ・ルイス・サパテーロ首相は、この6月から即時、公務員給与平均5%削減を導入。スペイン社会労働党書 記長の彼は、支持母体の労働組合が公立学校等を占拠し、“ゼネスト”を展開しても怯(ひる)まず、“第2のギリシア”回避策を敢然と実行に移したのです。
辞意表明から所信表明に至るまで丸々10日、首班指名の本会議以外、政策論争も法案採決も“開店休業”の「政治空白」に陥りました。その間、企業倒産は 350件、口蹄疫殺処分対象家畜は19万頭、自殺者は900人を超え、日本の借金は1兆円以上の増加です。
「『増税で経済成長』は語るに落ちた理屈」と畏兄・野口悠紀雄氏も慨嘆の“安易な増税論”を掲げる「奇兵隊内閣」を、にも拘らず、何かやってくれそうと 善男善女は信じて疑わず。
う~む、大政翼賛の空気に抗(あらが)うべく、「親身の指導・日々是決戦」の気概を抱き、今後も諫言(かんげん)するしかありませんなぁ。